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OTO - Ohshima Tamashima Observatory- - filteredlight Diff

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光学系と焦点の間にフィルターを入れると、焦点位置が伸びます。

 そのズレの量は、フィルターの厚みと屈折率で決まります。その関係を求めてみる。

下図で、フィルターの厚みをtとし、フィルターを通ったために焦点位置が伸びた量をdとする。
また、フィルターの屈折率をnとする。
レンズや鏡などの光学系を通り焦点を結ぼうとする光は、フィルターが無ければ図の破線を通る。
フィルターがあると屈折して、図の青線の経路を通る。そのために焦点面の位置は、赤線の分だけ伸びた位置にズレることになる。

図で平行四辺形から焦点位置のずれ(下の赤線)は、フィルター内に書いた赤線と等しい。この赤線の長さが求める量である。以下、フィルターの部分を拡大した2番目の図で説明する。

[[http://otobs.org/etc/optics/filteredLight.png]]

下図は、上図のフィルター部分を拡大した図である。目的は赤線の長さdを求めることにある。
[[http://otobs.org/etc/optics/filteredLength.png]]


フィルター内で屈折した光(青線)が出て行くところを考えると

[[http://otobs.org/etc/optics/(1).png]]      (1)

と書ける。一般に

[[http://otobs.org/etc/optics/(2).png]] である。であるから

[[http://otobs.org/etc/optics/(3).png]] 

なぜなら

[[http://otobs.org/etc/optics/(5).png]]であるから。

変形して


[[http://otobs.org/etc/optics/(6).png]]

ここで、f/1.0の光学系で i=30°r=19°、f/無限の光学系で i=0°r=0°であるので

[[http://otobs.org/etc/optics/(7).png]]のとりうる値の範囲を考えると


[[http://otobs.org/etc/optics/(4).png]] となる。

したがって、


[[http://otobs.org/etc/optics/(8).png]]

となる。

!!<結論>
フィルターの屈折率としてBK7のn=1.51をとると、

Fが1.0に近い明るい光学系では、d=0.38・t

Fが8以上の暗い光学系では、    d=0.34・t

と考えればよいことになる。
  
              




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*[[OTO-OhshimaTamashimaObservatory|http://otobs.org/hiki/]]

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