OTO-Ohshima Tamashima Observatory-  Index  Search  Changes  Login

CCDの選び方

観測に使うCCDはどのような物がよいか、その答えは一つではなく、用途によって慎重に考えなくてはならない。

ここでは、主として測光観測用途に限定して考える。測光では言うまでもなく測光精度が命である。オッカルテーション・フレア星・激変星の観測などでは、時間分解能を上げることも大切であるが、ここでは一般的な数10秒以上の露出を掛ける測光観測を取り上げ、測光精度を少しでも良くするためのCCDの選び方を考える。

CCDのS/N比を求める式は、少し複雑であるが、その式の中では、S/N比を上げる上で一番重要な要素は光子数である。大変大雑把に言うと、星からの光子数が多いほど測光精度は良くなる。その意味では、望遠鏡の口径を大きくするのも一つの解であるが、ここでは、同じ望遠鏡を使う場合により良いCCDの選び方の方法である。

  • CCDの転送方式:インターラインかフレームトランスファか

 測光では、より光子をたくさん集められるCCDが良いことから考えると、インターライン方式よりもフレーム転送方式の物の方が一般的には良いことになる。単純なインターライン方式では、電荷を転送するためのラインが受光部のラインと交互に並ぶために開口面積が1/2になるためである。  そうすると、例えばコダックのCCDチップの型式では「KAI」ではなくて「KAF」を選ぶことになる。もっとも、今後の技術開発次第で、受光ピクセルや転送用ラインの前にマイクロレンズを置き、入ってくる光を残らず受光用ピクセルに集めることが可能になると、開口面積はフレーム転送型と変わらなくなるので、話は別になる。

次に選択する要素は、ピクセルの1個のサイズとCCDの受光面積である。

結論としては、大雑把には、焦点距離の長い望遠鏡用には大きなピクセルの物を、カメラレンズ用(望遠鏡より焦点が短い)には細かいピクセルの物を選ぶとよいと言える。この理由は、主に、サンプリング定理という考え方から来る。

一般的に、どちらの場合も、考え方として、直径方向で考えて星像を数ピクセルでカバーできるようにするとよい。 理想的に作られた望遠鏡の焦点で作られる星像は、回折限界で決まる。その角度(ラジアン)に焦点距離を掛ければ実サイズがわかり、そのサイズの1/2から1/3がピクセルサイズになるように考えるとよい。 現実的にはシーイングが最小サイズを決めると考えてもよいが、シーイングは一晩の間でも変わるし天体の高度でも変わるので一定サイズと見なし得ないので議論しにくい。それよりも最良のコンディションで性能が発揮できるように備えるできであろうから、星像の最小値は回折限界と考えるとよい。最大値は、測光用途ではわざとデフォーカスさせて観測するので、その量で決まる。

一方、カメラレンズの撮像用に用いるCCDカメラの場合は、その星像直径はレンズの設計と製造技術によって決まり、回折限界よりはるかに大きい。むしろ、フィルムや一般のカメラ用CCDやCMOSなどの撮像素子のピクセルサイズに合わせてあると考えられる。(書きかけで中断)

CCDの要素

 ピクセルサイズ

 画素数

 受光容量(フルウェル、1ピクセルに何個の検出光電子を溜められるか)

 AD変換のビット数

 AD変換のゲイン(出力1カウントが、何個分の検出された光電子に相当するか)

 量子効率と分光感度   未完  

Last modified:2010/12/05 01:11:17
Keyword(s):
References: