冷却CCDカメラによる天体の測光観測 入門
英文ですがよいテキストを見つけました。
オクラホマ大学のW. Romanishinによる、
"An Introduction to Astronomical Photometry Using CCDs"
です。http://observatory.ou.edu/book2513.html
測光の基本をきちんと勉強したい人にはよい内容だと思います。
「きちんと」と言う意味は、大気減光の補正(1次と2次の両方)と標準星による
測光システムの変換を扱っている、ということです。
これまでCCD測光をきちんと学ぼうとすると、光電子増倍管をつかった光電測光の教科書を
参考にするしかありませんでした。それは歴史的に当然のなりゆきですし、またそれ用の
すばらしい教科書(Hendon & Kaitchuckの"Astronomical Photometry")があったことなど
にもよるでしょう。
しかし、CCD時代になって20年が経つのに、CCD観測に即した測光の教科書がないのは
ちょっとなあというのが正直な感想でした。
第7章のタイトルが、
The Atmosphere: Bane of the Astronomer(「地球大気、天文学者の致命傷」)
というのも気に入りました。手書きの図も、黒板を前にしてRomanishin先生の講義を受けているようで味わい深いです。
また、Romanishinによるテキストを補間する形で、標準星による測光システムの変換の手引
があります。実例入りで書いてあるのが
"CCD Transformation Equations For Use With Single-Image Photometry"
です。
その他
"Variable Star Research Page"
には有用なリンクがたくさんあります。
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