4.1 直線性の調べ方
正確に調べるには、露出時間は同じで光量を変える必要があるが、自分の
CCDカメラの実用的な入射光量の範囲(ダイナミックレンジ)を把握する目的なら、
以下の簡便法でも実用上は十分である。
準備:
比較的安定な照明
電源の安定している国内では、エアコンをつけていない部屋の室内照明で可。
ただし、昼間の外の光が入ると明るさが変化するので、遮光カーテンをするか
夜間に実験を行う。外からの光量が室内照明の1/100以下のレベルになる
ようにしておくと、太陽が雲に隠されてても光量の変化は1%以下が保証される。
なお、室内照明を光源として使う場合は、全実験期間を通して、照明・物や
人(猫や鳥などのペットも)の配置が変化すると明るさが変化するので、動か
ないようにする。
CCDカメラ
CCDカメラのスリーブ部分をアルミホイルでフタをし輪ゴムなどで固定する。
アルミホイルの中央に、直径2〜3mmの穴を千枚通しなどであけ、さらに
光を拡散させるためにその前をコピー用紙数枚を重ねて被う。
CCDカメラの冷却温度は低いほどよい。
実験開始:
CCDカメラを照明の方に向ける。
露出1秒で1000カウント程度になるように、カメラの向きや拡散紙の枚数を調整する。
露出については、2倍系列の時間で撮像する。
(例)0.12 0.24 0.50 1.0 2.0 4.0 8.0 16 32 64秒など
最短時間は、シャッターの最短時間(ただし、室内照明を光源に使う場合は、
50or60Hzのフリッカリングが問題になるので、せいぜい1/10秒まで)
最長時間は、数10秒まで
この実験では、ダーク補正は撮像時に同時に行う方法(SBIGの制御ソフトでは"also")
でよいと思います。
処理:
その画像を、測光ソフト(たとえば、天文教育・普及者ならマカリが自由に使える。URL
はhttp://paofits.dc.nao.ac.jp/Makalii/)を使い、すべてのフレームで同じピクセル座標を
中心にして、10000ピクセル以上を含む広いアパーチャで測光する(10000個を平均す
ると、誤差は1%になるため)。その平均カウント数を縦軸にとる。
横軸には、露出時間とりグラフを描く。
これらの意味については、1.
3章 直線性、ダイナミックレンジと測光精度を参照のこと。
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