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OTO - Ohshima Tamashima Observatory- - FLI_CCD_shutter Diff

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!!FLI製CCDカメラのシャッターはむらをシャッターは、ムラを生じやすい構造

FLI製CCDカメラのシャッターは下図の写真のように、CCDチップ=焦点の直前で、シャッター羽根を中央から開けて、再び中央で閉じる機構になっているので、露出時間を考えると画面中央部で長く、画面の端で短くなる傾向が生じる。つまりシャッタームラが生じやすい構造である。
[[http://otobs.org/tech/fli/FLI_shutter_asb.jpg]]


そこで、フラットフィールドを撮って、シャッタームラの程度とシャッター速度をシャッターの開閉速度を推定した。

!!露出時間を変えて薄明フラットを撮ってみた

下の画像を見るとシャッタームラがあることがよくわかる。使ったカメラはFL-ML6303Eである。ムラの出方からするとシャッター羽根は5枚のようである。

明るいレンズを絞り開放で使っているので、仮にシャッタームラがなくても中心部が明るく、周辺が暗く写る(周辺減光が現れる)ことは当然である。

[[http://otobs.org/tech/fli/FLI_shutter_small.jpg]]
使った光学系は、Canon 300mm f/2.8レンズ 絞り開放 Rcフィルター
5枚のメジアンをとったもの。10秒露出のフラットは、露出が長くなるために空が薄暗くなってから撮像したので星が流れて写っている。(5枚メジアンをとったものであるが、星の像が3枚分残っている)




!!シャッターの開閉速度を推定する
[[http://otobs.org/tech/fli/exposureTime.gif]]

まず、仮定として、シャッターの閉から開へと開から閉とが同じ時間Δt秒とする。
設定した露出時間をT秒とする。

すると、画面の中央での露出時間は、2*Δt+T 秒、画面の端での露出時間はT秒になる。
一方、実際に撮像したフラット画像(フラット補正済み)の端と中央の明るさの比C_L/C_Cは、露出時間の比と等しい。すなわち、

   C_L       T
  ----- = --------
   C_C     2Δt+T


これを変形して、シャッターの開閉速度Δtは次式で求められる。

         T     C_C - C_L
  Δt = --- * -----------
         2        C_L

!!画像を測定してシャッターの開閉速度=シャッタームラを求める


まず、薄明フラット画像自体の周辺減光を補正するために、露出時間0.01秒から1秒のフラット画像を10秒のフラット画像で割る。その結果が次の図である。

[[http://otobs.org/tech/fli/FLI_shutter_small_ff.jpg]]
10秒フラットに星が残っていたので、フラット処理したその他の露出の画像に星が現れている。もちろん測定に際しては星の部分を避けて明るさを測った

||!T ||!0.01 ||!0.1 ||!1 ||!10 ||![sec]||!
||!中央 ||!1.130 ||!0.980 ||!0.930 ||!1||!
||!端 ||!0.380 ||!0.777 ||!0.880 ||!1||!
||!差 ||!0.750 ||!0.203 ||!0.050 ||!0||!
||!Δt ||!0.0099 ||!0.0131 ||!0.0284 ||!平均 ||!0.0171


!!!!結論 シャッターむらの程度は、0.01から0.02秒程度である。
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