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OTO - Ohshima Tamashima Observatory- - howto_dynamic_range Diff

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直線性の調べ方

正確に直線性を調べるには、露出時間をそろえて光量だけを変える必要があるが、自分の持っている
CCDカメラで実用的に測光できる光量の範囲(ダイナミックレンジ)を把握する目的なら、
以下の簡便法が身近な機材を使って調べられるのですぐ実行できて便利である。

!準備:
!!比較的安定な照明
電源の安定している国内では、エアコンをつけていない部屋の室内照明で可。
ただし、昼間の外光が室内に入ると明るさが変化するので、遮光カーテンをするか、夜間に実験を行う。

昼間に行う場合は、遮光カーテンを使い外からの光量が室内照明の1/100以下のレベルになるようにしておくと、太陽が雲に隠されてても光量の変化は1%以下が保証される。

なお、室内照明を光源として使う場合は、全実験期間を通して、照明・物や人(猫や鳥などのペットも)の配置が変化すると明るさが変化するので、動かないようにする。


!!CCDカメラ
CCDカメラのスリーブ部分をアルミホイルでおおい、輪ゴムなどで固定する。

アルミホイルの中央に、直径2〜3mmの穴を千枚通しなどであけ、さらに光を拡散させるために、その前をコピー用紙数枚を重ねて被う。

CCDカメラの冷却温度は低いほどよい。

!実験開始:
!!CCDカメラを照明の方に向ける。
!!!露出1秒で1000カウント程度になるように、カメラの向きや拡散紙の枚数を調整する。
一度調節が完了したら、以下の一連の露出が完了するまで、カメラには一切手を触れない。

!!!露出については、2倍系列の時間で撮像する。
(例)0.12 0.24 0.50 1.0 2.0 4.0 8.0 16 32 64秒など
最短時間は、シャッターの最短時間(ただし、室内照明を光源に使う場合は、50or60Hzのフリッカリングが問題になるので、1/10秒程度以下は使わない)
最長時間は、数10秒まで

この実験でも当然ダーク補正は必要です。この実験のダーク補正では、撮像時に同時に行う方法(SBIGの制御ソフトでは"also"を指定)でよいと思います。

一連の露出が完了するまで、カメラには一切手を触れない。

!処理:
 その画像を、測光ソフト(たとえば、[[マカリ|http://makalii.mtk.nao.ac.jp/index.html.ja/]]が適しているでしょう)
で、すべてのフレームで同じピクセル座標を中心にして、10000ピクセル以上を含む広いアパーチャで測光する。10000ピクセル以上の意味は、10000個を平均すると誤差は1%になるためです。

その平均カウント数を縦軸にとる。なお、多くのCCD処理ソフトでは、星のアパーチャサイズはskyのサイズを越えられないために、先にスカイの内径をより大きく設定してから、星のサイズを入力する。

横軸には、露出時間とりグラフを描く。両軸を対数で表示すると上限付近が読取りやすくなる。

[[http://otobs.org/photometry/linearity.gif]]
[[http://otobs.org/photometry/linearity_atik460.png]]


!グラフの意味
については[[このページ|直線性、ダイナミックレンジと測光精度]]を参考にしてください。

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