ピントを合わせると位置測定(重心検出)も不正確になる
次に、アンダーサンプリング(星像直径FWHMの1/2 < ピクセルサイズ)の場合には、 ピントを合わせると星像の位置の測定精度も極端に悪化することを、先ほどの測光観測で使った星の実例で 示します。 望遠鏡の追尾レートをわざと恒星時からずらして、30分間の連続撮像の間にピクセルの間を星像が移動 するようにして撮像した。重心検出は、画像処理ソフト「マカリ」の測光機能を使うと、自動的に半径3ピクセル のカウント数から求めることができる。
(i)ピントを合わせた場合の重心検出 まずは、ピントを合わせたときの重心検出の様子を、星Aから星Dについて示す。 星B・C・Dは、ピクセル内での位置 (ピクセル座標の小数点部分)は整数化され、実際の望遠鏡の追尾のずれとは異なり、階段状に移動したか のように示されている。これらは暗めの星なので、星像のにじみが少なく、完全に1ピクセル内に星像が落ち 込んでしまうため、1ピクセル内のどこに星像の中心があっても、常にピクセル中央として重心を示すためで あろう。 星Aは4つの中では最も明るい星なので、周りのピクセルに光がにじみ出て、何とか重心が計算できるようです。 (それでも、他の三つの星と同様にピクセルに落ち込んでしまう傾向は認められる) (ii)ピントを外した場合の重心検出 4つの星全部について、滑らかに星像が移動している様子がよくわかる。 ピントを外した程度は、星像直径がおよそ5ピクセルにまたがるようにしている。
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