TESSの測光データの入手法
TESSの測光データの入手法
自分用の備忘録としてTESSの測光データの入手法について書いておきます。
(1)TESSのポータルサイトMASTにアクセス
このMASTというサイトは、実はTESSだけでなく様々なSpace Telescopesのデータを容易に検索して入手できるポータルサイトです。ここをを開け、最上部の"and enter target:"欄に目的の変光星名を入力し、 「search」ボタンを押します。
ダウンロードするファイルを選ぶ
すると遷移した画面が、大きく左、中央、右に分かれます。 左列ではMissionで"TESS"のみ選び、中央の列でファイルのリストからダウンロードするものを、次のようにして座標を手がかりにして選びます。
表示するリストの項目をRAとDecに制限する
表示するリストの項目をRAとDecに制限するために、一度だけEdit Columnsボタンを押します。すると、下図のように表示項目のリストが出るので、RAとDecより上の項目はすべてチェックを外します。
目的のファイルは、光度曲線のアイコ ンのついたもののうち、RAとDec座標が、右画面のファインディングチャートの座標表示と一致したものです。
ダウンロードするには、そのファ イルのフロッピーアイコンを押せばできますが、その前に、どのようなデータなのか光度曲線が表示させて確認するとよいでしょう。 光度曲線アイコンを押すと、別窓で光度曲線が表示されます。 ここで、左端のrangeのTimeとFluxのスライドバーを調節し、表示 範囲を自由に変えて、測光データの様子を見ます。気に入ったデータのようであれば、その窓を消して元の画面に戻りダウンロードします。
ダウンロードしたファイルの解凍と1次元FITSの変換
そのファイルはZIP圧縮されているので適当なツールで解凍 するとFITSフォーマットが現れます。これは1次元FITSフォーマッ トなので、私はTOPCATというソフト(「TOPCAT FITS」で検索する とそのソフトのサイトが開くのでDLして使う)を使って、表として 開き、CSVで保存し、あとはExcelなり何なりで自由に加工します。
データファイルの利用
CSVファイルに変換したものを例えばExcelで開くと、1万個を超える測光データについて多数の項目が憑依されます。
それらのうちで主要なものは、TIME(=BJD- 2457000.0)欄と、SAP_FLUX欄、SAP_FLUX_ERR欄、PDCSAP_FLUX欄、 PDCSAP_FLUX_ERR欄です。
"_ERR"がついた欄はもち ろん誤差を表しています。
問題は、測光データとしてSAP_FLUX欄 か、PDCSAP_FLUX欄のどちらを使うかですが、結論は、データをグ ラフ表示するなりして見ながら自分の目的によって選ぶしかありません。
一般的にはPDCSAP_FLUXの方が、較正済みなので高精度ですが、精度が悪い(と言っても地上観測に比べるとずっと良い)時間帯のデータはカットされているので、極小時刻をKW法で測定する場合などには、SAP_FLUXの方が適している場合もあります。
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Keyword(s):[TESS] [データの入手] [MAST]
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