露出時間と測光精度
大気の底である地上から見ると星はまたたいて見える。このシーイングの影響による恒星の光量変化(シンチレーション)は、様々な周期の光量変化の重ね合わせで生じる。周期の長い成分では、数秒の周期を持つことが知られている。
このシンチレーションの周期より短い露出時間での撮像は、明らかに測光誤差を引き起こす。1フレームである程度の測光精度を確保するためには、シンチレーションの周期の数倍以上の積分時間をかけて、シーイングの影響を打ち消す必要がある。
こうして、測光用のCCD撮像の露出時間は、最短でも20秒は積分時間をかけることがよいことがわかる。
実際には、シンチレーションの主な原因は、上空の直径20cm程度の空気塊(アイソプラナパッチ)が望遠鏡の光軸上を移動していくことで生じると考えるとよい。従ってシンチレーションの光量に対する影響(インテンシティの変化)は、特に口径20cm前後以下の望遠鏡で大きい。口径が1mを超えると、口径の中に多数のアイソプラナパッチが含まれるために平均化されて、インテンシティの変化は小口径望遠鏡に比べると少なくなる。
明るい星や、口径の大きな望遠鏡では、露出20秒でもCCDの直線性が悪化しないカウント数になるように、ピントを外して星像を広げ、1ピクセルあたりの光量を減らす必要がある。
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