OTO - Ohshima Tamashima Observatory- - BiasFlame Diff
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3.1.1
!!3.1.1 SBIG製CCDの場合
バイアスフレームとは、露出時間ゼロで読み出したフレームのことです。
露出0秒なので、出力されるカウント数も0になるはずであるが、現実にはCCD
からピクセルごとの電荷を読み出した時に生じる読み出しノイズやアンプのバイ
アスなどが、加わり0にはならない。さらに、SBIGのCCDカメラの場合は、画像
データとして正の整数しか扱わない関係で、100カウントだけかさ上げしている。
このバイアスフレームは、電子冷却式のCCDカメラの場合は無視してよい。 なぜ
なら、この方式ではあまり低温にできないため、バイアスに較べてダークカウント
の方がはるかに大きく、ライトフレームからダークフレームを差し引く 処理を行う
際に、バイアスも自動的に差し引かれるからである。
なお、液体窒素冷却の場合は−100℃以下になるためダークカウントがほぼ
0に近い値になり、バイアスの方が効いてきるため、バイアスフレームを撮って差
し引くという処理が不可欠になる。
電子冷却式のCCDカメラの場合は無視してよいのであるが、一度は自分のCCD
カメラの素性を知っておくことは無駄ではない。
下の画像は、ST-9XEで冷却温度-15度で撮ったバイアスフレーム100枚の
フレームのメディアン(中央値)をとったものです。
なにやらCCDチップの製造上発生した構造が見えてきているようです。
なお、SBIGのCCDカメラに標準でついてくる操作ソフトCCDOPSではバイアスは
取得しにくい。最近のSBIGのカメラではソフトウェアビスキュー製の「CCDソフト」
が添付されているのでそれを利用すると容易にバイアスフレームのデータが得
られる。
[[http://otobs.org/photometry/biaseST9_15deg.jpg]]
下の画像は、同じ100枚のバイアスフレームを平均したものです。
個々のピクセルの値は平均化されて滑らかな画像になっていますが、
あちこちに宇宙線イベントの影響が残っているので使い難い画像になっています。
平均値処理では、100フレームの内の1フレームだけに飛び込んだ宇宙線イベント
でも、飛びぬけて大きな値を示すので平均化してもその値に引きずられて残って
しまうことがわかります。なお、メディアンをとった上の画像でも見られる右下(第4
象限)の明るい2点は、下図にもみられるのでホットピクセルと思われます。
[[http://otobs.org/photometry/bias51_150mean.jpg]]
FLIのカメラは読出し速度を1MHzと7MHzの2種類からっ選択できる。両者で、読出しノイズの違いがどの程度のあるのか調べてみた。
条件: FLI ML6303を中心部の768X512ピクセル 冷却温度-25℃
BIAS画像を、読出し速度1MHzと7MHzで各100枚づつ撮像しメジアンをとったものを比較した
以下のように、7MHzで読み出すと2%ほどBIASノイズが増えることがわかる。
読出し速度 1MHzのBIAS画像 平均値は2043カウント
[[http://otobs.org/tech/fli/1MHz.png]]
読出し速度 7MHzのBIAS画像 平均値は2086カウント
[[http://otobs.org/tech/fli/7MHz.png]]
7MHz画像÷1MHz画像 平均値は1.02
[[http://otobs.org/tech/fli/7MHzby1MHz.png]]
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