京都大学3.8m望遠鏡のフリクションドライブ部
京都大学3.8m望遠鏡のフリクション駆動部(2015年3月8日天体スペクトル研究会の見学会)
水平回転部の上に載った高度軸回転部(以下、勝手にソリと呼ぶ)と主鏡受け部。この時はまだ水平回転駆動部とその台座は組み立てられていなかった。
高度軸のソリは、左右2個の駆動装置でフリクション駆動される。
黒いのが横河電機製ダイナサーブである。ダイナサーブに直結したローラで、赤黒く塗られたソリをフリクション駆動する。ダイナサーブモータ+ローラから成る駆動部が固定されている台座は、スロット状の切込みを入れた板の端を水平回転台座に固定されている。(なお、横河電機は現在はダイナサーブ事業を安川電機へ売却しているもようhttp://www.yokogawa.co.jp/ddm/info/info_dynaserv.htm)
ローラ部はネジで直に、モータ部はバネを介して、それぞれ押し付けているようだ。(ローラ部をネジで直に押すのは問題が生じないか?それとも皿バネを介しているか?)
駆動部を支える座板の固定部はスロットを入れてバネ性を持たせてある。このスロット部の細い首を支点にしてローラをソリに押し付ける(隙間ゼロで接触させて固定、その後バネの力で押し付ける力をコントロールする)。その支点を軸ではなくて細い首にするのは、ほんの少しの遊びも許容したくないためであろう。(なぜかここだけキャップスクリューでなくて六角ボルトが使われている)
押し付ける力を調節するネジのピッチは相当細かい。
真横から見た駆動部台座
ピストンのような部分(ショックアブソーバ)は、おそらくメンテナンス時に高度軸が回らないように固定するためのストッパーと衝撃を吸収するためのものであろう。
高度軸はTHK製の「Rガイド」で摺動する(水平回転も同じ)。つまり、軸の荷重はRガイドで受け、回転トルクはフリクションドライブで受け持つ。
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Keyword(s):[friction_drive] [Kyoto3.8m]
References:[技術的な覚書き]