DSS-7の電源をカメラ側から供給する
DSS-7の電源改造
- DSS-7分光器の電源を、006P乾電池からCCDカメラから供給するように改造した
DSS-7分光器の電源は、006P乾電池である。 観測を望遠鏡の側で行っている分には、観測時にONし終了時にOFFすれば電池の消耗は少ない。岡山理科大の例では2年ほどは持つ様である。 しかし、私の場合、観測は望遠鏡の側にいなくて、ほとんどすべての操作はVNCソフトによるリモートで階下で行っている。そのためには分光器の電源は常にONにしたままにしておく必要がある。そうすると2,3週間で電池を消耗する。006P電池は普通の乾電池ほどには安くないし、第一電池の廃棄物を増やすのは気持ちがよくない。 そこで、電池をやめて、CCDカメラから電源を供給することにした。
カメラ側の配線
DSS-7分光器は、SBIGのST-7/8/9カメラから望遠鏡制御ポートを通して制御するようになっている。幸いにその望遠鏡制御ポートには+12Vが出力されている。
望遠鏡制御ポートDサブ9ピンコネクターのピン配列 ()内はDSS-7での機能
ピン番号 | 機能 | ST-7-RCコネクター内の配線 |
---|---|---|
1 | フレームGND | なし |
2 | CFW-8用パルス | - |
3 | +X(グレーティング1次) | 白 |
4 | +Y(スリットを入れる) | 黒 |
5 | 信号GND | 黄 |
6 | -X(グレーティング0次) | 緑 |
7 | -Y(スリットをはずす) | 赤 |
8 | +12V | ここを青色線で接続する |
9 | +5V | なし |
CCDカメラに付属していたST-7-RCというDsub9ピン<->6ピンモジュラージャック変換コネクターの内部を開けると、未配線の青色ケーブルが余っていたので、これを+12V電源供給に使うことにした。 青色線をDsub側の第8番ピンに接続し、反対側を6ピンモジュラージャックの第6番ピンに接続する。
分光器内の配線
- 電源電圧を12Vから9Vに落とす
DSS-7分光器内部の電源電圧は9Vであるので、12Vから3Vだけ電圧を下げる必要がある。 3端子電圧レギュレータを使う手もあるが、ここはもっと簡単に整流用シリコンダイオードを直列にして約3Vドロップさせた。シリコンダイオードの順方向電圧降下は0.6から0.7Vであるので、5本直列接続した。最大8.5Vまで下がる場合もあるが、もともと電池を使用する設計なので、0.5V程度の電圧低下は問題にならないとみた。コンパクトデジカメのマクロ撮影に慣れていなくて写真がピンボケになってしまった。
- プリント基板への配線
DSS-7側の6ピンモジュラージャックは、プリント基板に直付けになっている。 第6番ピンだけは、プリント基板では四角いランドになっていてどこにも接続されていない。
ここに、5本直列接続したダイオードの入力側(アノード側=横線が入っていない方)を接続する。
ダイオードの出力側(カソード側=横線が入っている方)はバッテリー接続用コネクターの根本にハンダ付けした。ダイオード部は、基板を取り付けていた4本の足のうち1本をはずし、背の低い取り付け柱に変えて取り付けた。元の006P電池用スナップはセロテープで巻いて絶縁しバッテリーボックスへ入れておいた。
Keyword(s):[DSS-7] [電源改造]
References:[天体の分光]